たまに行く居酒屋さんでのこと。
何度目かのお酒の注文をした際に、じっと顔を見られて言われた。
「ホントに美味しそうにお酒を飲まれますなぁ」
にっこりと笑顔で言われたので、ちょっと戸惑ってしまったのだけど、そんな自覚がないだけに不思議にも思った。
知人と転職の相談をしていたので、さぞや眉間に皺が寄っていたのではないだろうか。
実に面白くない顔をして酒の美味さを損なっていたのではないか。
あれこれと申し訳ない思いは湧いてきても”美味しそうに”なんてことは思いもしなかった。
そっかぁ。
お酒を飲んでいるときは、この自分でもいい顔をしているのか。
そう思うとじわじわと嬉しくなり、言葉もなくただペコリとお辞儀をするのが精一杯だった。
よく食べ、よく飲む。
どういう苦しい時でもこれだけは忘れないようにしている。
おかげで、体重がひどいことに。。。なってはいるものの、なんとか毎日をやる過ごすこともできている。
このひと時だけはお酒の神様にお目こぼしをもらったような気がして、その後も楽しく時を過ごすことができた。
とある晩のことだった。